未経験者がグラフィックデザイナーになるための実務経験の積み方【経験者は語る】

hands-on-experienceDESIGN

ドーも!Tatsumoです!

デザインに関わる仕事に興味があるけど、求人をみたら”実務経験必須”とか、「3年以上の実務経験者を採用』とか書いてあるけど、
そもそも未経験な自分がどうやって最初の実務経験を積めばいいんだろう。
このままじゃずっとデザイン系の仕事にはつけなそう・・・。

そんな疑問を持つ方に向けて、私の経験をお話ししたいと思います。


この記事を書いている私は、デザイナー歴は7年ほど。

3年のインハウスデザイナーを経て、現在フリーランスのデザイナーとして生計を立てています。

実体験をもとに記事を書いておりますので、転職の方、独学でデザインを学んできて、これからデザイン職につきたいと考えている方の参考になれば嬉しいです。

実務経験の本質とは何か

会社が要求する実務経験とは、ただ単に洗練された成果物を作るスキルがあるかということにとどまりません。
業界ならではの常識やお作法などに慣れた人を採用したい、という会社の思惑があります。

例えば、印刷系の会社を例に挙げると、様々な業界用語やしきたりなどがあります。
一例ですが、

  • カンプ、アタリ、Q上げ、ドブ、トンマナ〜などのいわゆる業界用語
  • 初稿、下版、再校、念校、責了、校了〜のような仕事の流れの理解
  • 大型プリンター等とか大型機材を使用する際に生じる様々な付帯作業諸々。(印刷RIP作業用のパソコンの操作などとか)

など様々な業界特有のしきたりの心得や基礎知識が必要だったりします。

↑↑これは、色形をどうするというような””デザインスキル””とは関係のないものですよね。

このように、実務経験必須ということは、デザイン業界の風土や文化とはなんたるかを1から説明しなくても

「あーはいはい、OKーっす」

ってな具合に、すぐに仕事に取りかかれる即戦力な人材が欲しいってことを意味しているのです。

とはいえ、実務経験3年以上、または同等のスキルをお持ちの方、という、実務経験がなくても
ポートフォリオのクオリティ次第で。という求人もよく見かけるようになりました。

これはデザイン教育のレベルが年々高くなってきていることももちろんですが、業界の内情がインターネットやニッチな媒体も増えてきたことで、広く知られるようになったことで、独学や新卒の方も十分に即戦力となり得るからですね。

実務経験を積めない負のループは誰もが陥る

今でこそデザインを仕事にしている私ですが、この実務経験積めないループに3年くらいハマっていました。

ハマりすぎやん自分

大学卒業後、なんとかグラフィックデザインに携われる会社に入りたくて、デザイン会社やデザイン部署がある印刷会社などを中心にアタックしていましたが全敗。

毎日求人雑誌を積んでは電話かけたりしたのを覚えていますが、どの会社も大体、実務経験3年以上の経験がないと、面接もしてもらえないという状況でした。

そもそも実務経験を積むために応募したいのに、その会社すら実務経験必須→落ちる→実務を求め彷徨う→
抜け出せない無限ループ。。。

これは詰みでは?と思いました。

この負のループを断ち切るにはどうしたらいんだろうと試行錯誤していました。
この悩みを抱えてつまずいている人は実は結構多いはずです。

具体的な実務経験を積む方法

そんな私が、デザイナー職に応募できるだけの経験が積めるようになったのは、
ある時に吹っ切れて、いろんな仕事を経験しながら回り道でもいいからじっくり行こうと決めた時からでした。

つまり、

広い視野で、志望職種までのルートを考えること。

一見当たり前のようなことですが、

熱意があればある人ほど、私のように「絶対にデザイン系の仕事に就くんだ!」と、どんどん視野は狭くなっていき、会社や職種を絞りがちです。

資金にゆとりがある状態ではじっくり探すのも良いですが、働きながら就活をする場合には希望の仕事に就けなかった時に辛いです。なので、

志望の会社の周りに存在する近い業種からじわじわと近づいていくのが、結果的に最短ルートだと思います。

あなたが就きたい会社の周りにはどんな仕事がありますか?一見するとデザインには関係なさそうな業種の会社でも意外にも実務経験と認められることも多いのです。

私が実際に辿った今に至る実務経験取得のコースはこんな感じ↓↓

①中古ブランド品物販会社→②ダンボールの製版会社→③旅行会社(インハウスデザイナー)→④フリーランス

えっこんなルートでデザイナーに?と思う方も多いと思います。
しかもどの部分で実務経験になったんろうと思いますよね。詳しく説明します。

  • ①中古ブランド品物販会社→財布やカバンなどを大手ECサイトで商品を出品していました。画像加工するためにPhotoshopを使用したりPOPを作るためにIllustratorを触っていました。接客業と半々でしたが、それが実務経験と認められてダンボール製版会社に入ります。
  • ②ダンボール製版会社→基本はデザインはしないですが、Illustratorを使う仕事です。ダンボールによく印刷されている「割れ物注意」のマークを記入したり、既存ダンボールのデザインをトレースしたりします。ごく稀に、野菜のダンボールのちょこっとしたデザインをする時があります。それが実務経験と認められて旅行会社のデザイン部署に入ります。
  • ③旅行会社→主に旅行ツアーのパンフレットをデザインする仕事です。旅行会社はwebサイトも更新作業があるので、バナー制作もします。1の中古ブランド品物販会社でPhotoshopを仕事で使っていたというのもに有利に働いたと思います。

このように、本当に少しずつ実務経験を貯めていったという感じです。いきなり③へ行くのはぜんぜん無理でしたし、①から③への飛び級もできなかったと思います。

本当にジワジワ、細いロープを辿って歩くみたいな感じですね

また、個人で制作した作品などを持参したので、それらも重要な加点であったとも思います。

そして旅行会社のデザイン部署での仕事が、今のデザイナーとしての独立にかなりつながっているなと感じています。

大事なことなので繰り返しますが、

一見デザインには関係なさそうな業種の会社でも意外にも実務経験と認められることは多いです。
それは雇用形態が社員でもバイトでも派遣でも同じです。(上記のルートはバイトと派遣です)

いますぐ希望の会社に入れなかったとしても、どんな職種でもどこかの部分で必ずつながっていて、実務経験を積めるような業種が無数にあります。

とことんスキルを上げながら、広い視野でルートを探せば必ず最終的に志望の職種に近づけるはずです。

まとめ : 広い視野でデザイナーへの道を考えよう。

Appleの創業者の一人であり世界的な成功者としての名を馳せた、スティーブ・ジョブズ氏ですらこう語っています。

私たちは今やっていることがいずれ人生のどこかでつながって
実を結ぶだろうと信じるしかないのです。点と点が、いずれ、未来に結びつくと信じること

まずは簡単でいいので、志望会社の近隣にある職種群を抜き出してみる。業務中に専門ソフトをどれだけ触れる仕事か、という基準で求人を検討してみる。

などを始めてみるのはいかがでしょうか?

同じ悩みを抱えている人に参考になれば嬉しい限りです。
ここまで読んでくださりありがとうございました!